研究の背景
フグの赤ちゃん(仔魚)は非常に小さく無防備に見えますが、体にフグ毒(テトロドトキシン:TTX)を持っています。この毒は母親から受け継いだもので、捕食者に対する防御機能を果たしていることが明らかになりました。
研究成果
捕食者にフグの仔魚を与えると、くわえた直後に瞬時に吐き出す行動が観察されました。フグの仔魚が保有するTTXはごくごく微量であり、それだけで捕食者を死に至らしめることはできません。
それにもかかわらず捕食が阻止される理由として、フグの仔魚がその体表に母親由来のTTXを局在させていることが判明しました。体表に集中したTTXが捕食者の口腔粘膜を刺激することで、仔魚はTTXの保有を効果的に捕食者へ伝え、生存率を高めていると考えられます。

図1: 捕食者(ヒラメ稚魚)がフグの仔魚をくわえた後、瞬時に吐き出す様子。

図2: フグの仔魚の体表におけるTTX(フグ毒)の局在。母親由来のTTXが体表に集中している。
論文情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 論文タイトル | Larval pufferfish protected by maternal tetrodotoxin |
| 著者 | Shiro Itoi, Saori Yoshikawa, Kiyoshi Asahina, Miwa Suzuki, Kento Ishizuka, Narumi Takimoto, Ryoko Mitsuoka, Naoto Yokoyama, Ayumi Detake, Chie Takayanagi, Miho Eguchi, Ryohei Tatsuno, Mitsuo Kawane, Shota Kokubo, Shihori Takanashi, Ai Miura, Katsuyoshi Suitoh, Tomohiro Takatani, Osamu Arakawa, Yoshitaka Sakakura, Haruo Sugita |
| 掲載誌 | Toxicon 78, 35-40 |
| 発表日 | 2013年11月23日 |
| DOI | 10.1016/j.toxicon.2013.11.003 |
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増殖環境学研究室 糸井 史朗 准教授