研究の背景
ムツ属魚類は世界的に分布域が限られ、日本列島周辺とアフリカ南端部周辺で知られています。このうちアフリカ産個体群を日本のムツと同一種とみなすかどうかは長く曖昧であり、本研究ではCOI遺伝子配列を用いてその問題を検証しました。
研究成果
日本列島周辺で漁獲されたムツ、クロムツ、未記載種のCOI配列を解析し、アフリカ産個体群の配列と比較しました。その結果、アフリカ産ムツ属魚類の配列は日本のScombrops boopsとは大きく異なることが判明しました。
この結果から、アフリカ産個体群は従来のScombrops dubiusとして扱うことが妥当であるとの結論が得られ、世界のムツ属魚類の種数を見直す必要性が示されました。
図1: 日本近海産およびアフリカ産ムツ属魚類の系統関係。アフリカ産個体群が日本のムツとは遺伝的に異なることを示す。
図2: ムツ属魚類の地理的分布。日本列島周辺とアフリカ南端部周辺で分布群が分かれる。
論文情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 論文タイトル | Genetic difference between African and Japanese scombropid populations based on cytochrome c oxidase subunit I gene sequences |
| 著者 | Hikaru Oyama, Shiro Itoi, Hiroyuki Ueda, Yukako Mochizuki, Minori Tanaka, Takeshi Ito, Hirotoshi Shishido, Yasuji Masuda, Noriyuki Takai, Haruo Sugita |
| 掲載誌 | Mitochondrial DNA Part B 4(1), 1016-1020 |
| 発表日 | 2019年2月22日 |
| DOI | 10.1080/23802359.2019.1584056 |
お問い合わせ
増殖環境学研究室 糸井 史朗(いとい しろう)