研究の背景
クサフグは高濃度のテトロドトキシン(TTX)を保有する魚として知られていますが、産卵前後にどこから毒を得ているのかは十分に分かっていませんでした。これまでの研究から有毒ヒラムシとの関係が示唆されており、本研究では磯での摂餌行動と毒源を直接検証しました。
研究成果
三浦半島葉山の磯において、クサフグが岩表面に産み付けられた有毒ヒラムシ卵板を削り取って摂食する行動が確認されました。卵板のDNA解析により、これらの卵は有毒ヒラムシオオツノヒラムシ由来であることが示されました。
卵板からは高濃度のTTXが検出され、クサフグが毒源そのものを直接摂食していることが明らかになりました。この成果は親魚の毒化メカニズムの解明にとどまらず、その後に稚魚へとTTXが受け渡される生活史全体の理解にもつながるものです。
図1: クサフグが磯の岩表面に産み付けられた有毒ヒラムシ卵板を摂食する様子。
図2: オオツノヒラムシとクサフグの生活史におけるテトロドトキシン(TTX)授受の概念図。
論文情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 論文タイトル | Toxic Flatworm Egg Plates Serve as a Possible Source of Tetrodotoxin for Pufferfish |
| 著者 | Taiki Okabe, Hikaru Oyama, Maho Kashitani, Yuta Ishimaru, Rei Suo, Haruo Sugita, Shiro Itoi |
| 掲載誌 | Toxins 11(7), 402 |
| 発表日 | 2019年7月11日 |
| DOI | 10.3390/toxins11070402 |
お問い合わせ
増殖環境学研究室 糸井 史朗(いとい しろう)