研究の背景
愛媛県宇和島周辺海域は国内有数のマダイ養殖産地であり、長年にわたり大量の養殖魚が生簀から逸出してきた可能性があります。こうした「野良マダイ」が天然集団にどの程度混入し、遺伝的な影響を与えているかを明らかにすることが課題でした。
研究成果
宇和島海域と養殖が比較的少ない海域の天然採集マダイをマイクロサテライトDNAマーカーで比較したところ、宇和島海域では**14.1〜30.2%**の個体が養殖由来と推定され、特に釣獲個体で高頻度でした。
天然魚と養殖魚の交雑個体の存在も示唆され、養殖魚の逸出が天然集団の遺伝構成に影響している可能性が明らかになりました。また、鼻腔隔壁の有無だけでは養殖由来個体を十分に判別できないことも判明し、DNAマーカーを利用することの重要性が改めて確認されました。
論文情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 論文タイトル | Identification and quantification of farmed red sea bream escapees from a large aquaculture area in Japan using microsatellite DNA markers |
| 著者 | Eitaro Sawayama, Hironori Nakao, Wataru Kobayashi, Takashi Minami, Motohiro Takagi |
| 掲載誌 | Aquatic Living Resources 32, 26 |
| 発表日 | 2019年3月18日 |
| DOI | 10.1051/alr/2019024 |
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海洋生物生理学研究室 澤山 英太郎(さわやま えいたろう)