研究の背景
有毒ヒラムシは、フグ類にテトロドトキシン(TTX)を供給する重要な生物として注目されています。しかし、近縁なヒラムシ種の間でTTX保有量がどの程度異なるのか、またそれがフグの毒化にどう影響するのかは十分に分かっていませんでした。
研究成果
神奈川県葉山でオオツノヒラムシとツノヒラムシを定期採取し、資源量とTTX保有量を比較した結果、オオツノヒラムシはツノヒラムシより大型で、葉山では資源量も多いことが明らかになりました。
体内TTX濃度自体に大きな差はない一方で、個体あたりのTTX量は体重依存的に増加し、オオツノヒラムシで特に大きいことが示されました。個体数と保有毒量の両面から、オオツノヒラムシがフグの毒化に及ぼす影響はきわめて大きいことが示唆されました。
図1: オオツノヒラムシとツノヒラムシの外部形態比較。オオツノヒラムシの方が大型であることが分かる。
図2: ヒラムシ2種における体重とTTX保有量の関係。大型個体ほど1個体あたりの毒量が多い傾向を示した。
論文情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 論文タイトル | Difference in tetrodotoxin content between two sympatric planocerid flatworms, Planocera multitentaculata and Planocera reticulata |
| 著者 | Shiro Itoi, Sora Tabuchi, Misato Abe, Hiroyuki Ueda, Hikaru Oyama, Ryuya Ogata, Taiki Okabe, Ayano Kishiki, Haruo Sugita |
| 掲載誌 | Toxicon 173, 57-61 |
| 発表日 | 2020年1月15日 |
| DOI | 10.1016/j.toxicon.2019.11.008 |
お問い合わせ
増殖環境学研究室 糸井 史朗(いとい しろう)