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約半世紀にわたる成長選抜育種により養殖マダイではどのような遺伝子が固定されてきたのか

Journal of Applied Ichthyology 2021年2月24日
澤山 英太郎 専任講師 海洋生物生理学研究室

研究成果のポイント

  • 養殖マダイと天然集団を比較し、長期の成長選抜育種で影響を受けた遺伝子を探索した
  • 成長ホルモン、IGF-I、αアクチン、甲状腺ホルモン受容体βで選抜の痕跡が検出された
  • 長年の育種が成長関連遺伝子多型の固定化を進めてきたことを示した

研究の背景

マダイ養殖では、成長や耐病性を指標とした選抜育種が長年続けられてきました。その結果、成長や免疫に関わる遺伝子変異が養殖集団内で固定されている可能性がありましたが、どの遺伝子が強い選抜を受けてきたのかは明確ではありませんでした。

研究成果

成長関連12遺伝子、免疫関連7遺伝子を候補として選び、遺伝子内や近傍にあるマイクロサテライトDNAマーカーを開発した。養殖個体40尾と天然個体40尾の遺伝子多型を比較し、DetSel、LOSITAN、BayeScan の3手法で選抜シグナルを検出した。

成長ホルモン、インスリン様成長因子-I、αアクチン、甲状腺ホルモン受容体βが複数手法で共通して検出され、強い選抜を受けた遺伝子と判断された。いずれも成長に関わる遺伝子であり、約半世紀にわたる成長選抜が養殖マダイのゲノムに反映されていることが示された。

遺伝統計解析で検出された成長関連遺伝子座

図1: 遺伝統計解析で検出された成長関連遺伝子座

He-Fst分布上で選抜の影響が示された成長関連遺伝子

図2: He-Fst 分布上で選抜の影響が示された成長関連遺伝子

BayeScanによる免疫関連遺伝子MHC1αの検出結果

図3: BayeScan による免疫関連遺伝子 MHC1α の検出結果

論文情報

項目 内容
論文タイトル Polymorphisms of growth- and immune-related genes in cultured red sea bream Pagrus major identified by gene-related DNA markers
著者 Eitaro Sawayama, Wataru Kobayashi, Hironori Nakao, Yuuki Yamada, Motohiro Takagi
掲載誌 Journal of Applied Ichthyology 37(3), 410-416
発表日 2021年2月20日
DOI 10.1111/jai.14184

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海洋生物生理学研究室 澤山 英太郎(さわやま えいたろう)

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