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オオツノヒラムシは保有するフグ毒の役割を性成熟に伴い変化させている

Marine Biotechnology 2022年11月8日
尾山 輝 D3・糸井 史朗 教授 増殖環境学研究室

研究成果のポイント

  • オオツノヒラムシでは性成熟に伴ってTTX類の局在が大きく変化した
  • 未成熟期のTTXは主に捕食に、成熟後は卵保護に関与すると考えられた
  • フグ毒の生態学的役割が発育段階によって切り替わることを示した

研究の背景

オオツノヒラムシ(Planocera multitentaculata)は高濃度のフグ毒テトロドトキシン(TTX)をもつ有毒ヒラムシです。これまでTTXの存在自体は知られていましたが、成長や成熟に伴ってどこに分布し、どのような役割を担うのかはよく分かっていませんでした。

研究成果

  • 未成熟個体、交接期個体、産卵期個体を対象にTTXと関連化合物の組織分布を調べたところ、性成熟に伴って局在が大きく変化した
  • 未成熟期には咽頭など捕食に関わる部位でTTX類が目立った一方、成熟後は卵巣や卵板に高濃度で蓄積した
  • この結果から、オオツノヒラムシは成長段階に応じて、TTXを捕食補助から次世代保護へと役割転換させている可能性が示された
  • フグ毒は単なる防御物質ではなく、生活史に応じて機能を変える生態学的資源であることが分かった
オオツノヒラムシの性成熟に伴うTTX類の濃度変化

図1: オオツノヒラムシの性成熟に伴うTTXsの濃度変化

性成熟に伴うオオツノヒラムシにおけるTTXの役割変化

図2: 性成熟の変化に伴うオオツノヒラムシにおけるTTXの役割

論文情報

項目 内容
論文タイトル Changes in tissue distribution of tetrodotoxin and its analogues in association with maturation in the toxic flatworm, Planocera multitentaculata
著者 Hikaru Oyama, Masaaki Ito, Rei Suo, Naoko Goto-Inoue, Mizuki Morisasa, Tsukasa Mori, Haruo Sugita, Tetsushi Mori, Ryota Nakahigashi, Masaatsu Adachi, Toshio Nishikawa, Shiro Itoi
掲載誌 Marine Biotechnology 25, 184-197
発表日 2022年11月2日
DOI 10.1007/s10126-022-10179-z

お問い合わせ

増殖環境学研究室 糸井 史朗(いとい しろう)

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