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サンゴの卵・精子におけるユニークな脂質分布を可視化

Coral Reefs 2023年3月2日
井上 菜穂子 准教授 生物機能化学研究室

研究成果のポイント

  • 石垣島近海に広く生息するミドリイシサンゴAcropora tenuis の卵・精子における特徴 的な脂質組成を明らかにした。
  • サンゴを人工的に産卵させ、放出されたバンドルをそのまま切片化し、質量分析イメージ ングの手法を用いて脂質の局在を解析することに成功した。
  • 精子におけるエイコサペンタエン酸含有脂質の特徴的な脂質分布を明らかにした。

研究の背景

インド太平洋のサンゴ礁生態系にとって、ミドリイシ属の造礁サンゴAcropora tenuis は重要な役割を担うとされている。具体的に、造礁サンゴはそれ自身が魚類などの住処とし て活用されるだけでなく、サンゴ粘液などの分泌物がサンゴ礁に生息する生物へのエネル ギー供給源となる。

研究成果

石垣島近海に広く生息するミドリイシサンゴAcropora tenuisの卵と精子における特徴的な脂質組成を明らかにしました。サンゴを人工的に産卵させ、放出された卵・精子のバンドルをそのまま切片化し、質量分析イメージングの手法を用いることで、各組織における脂質の局在を高解像度で可視化することに成功しました。

その結果、卵と精子では脂質の種類と分布パターンが大きく異なることが明らかになり、特に精子においてはエイコサペンタエン酸(EPA)を含む特徴的な脂質が独自の分布パターンを示すことが初めて示されました。本研究はサンゴの繁殖生物学における脂質の役割を解明する新たな手がかりとなります。

論文情報

項目 内容
論文タイトル Different lipid compositions and their specific localization in the eggs and sperm of Acropora tenuis
著者 Naoko Goto-Inoue, Keisuke Kimura, Shudai Sasaki, Mizuki Morisasa, Tsukasa Mori, Go Suzuki, Hiroshi Yamashita
掲載誌 Coral Reefs 42(2), 497-506
発表日 2023年3月1日
DOI 10.1007/s00338-023-02360-0

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生物機能化学研究室 井上 菜穂子(いのうえ なおこ)

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