← 研究成果一覧に戻る

トラフグ属仔魚におけるフグ毒TTX保有細胞の表皮分布

Marine Biotechnology 2024年10月21日
糸井 史朗 教授 増殖環境学研究室

研究成果のポイント

  • トラフグ属のクサフグおよびトラフグ仔魚のフグ毒テトロドトキシン(TTX)保有細胞の 局在を特定しました。
  • TTX 保有細胞は成魚で報告されていた細胞とは異なる可能性があり、その細胞が表皮に 散在していることを特定しました。
  • 親から子にTTX が受け渡されるメカニズム特定の糸口になることが期待されます。

研究の背景

日本大学生物資源科学部の糸井史朗教授、鈴木美和教授、周防玲専任講師、同大学院修士 課程の渡邉衣乃莉、金子結唯、東京大学大学院農学生命科学研究科の浅川修一教授、木下滋 晴教授、渡邊壮一准教授、吉武和敏助教、米澤遼特任助教、同研究科博士課程のスミスアシ ュレイ梨花、同研究科修士課程の稲橋京史郎、林健太朗、金沢大学環日本海域環境研究セン ターの鈴木信雄教授、同理工研究域生命理工学系の松原創教授、同総合技術部環境安全部門 (理工)の永見新技術職員、同大学院自然科学研究科博士後期課程のMuhammad Ahya Rafiuddin、同博士前期課程の関祐希、長崎大学大学院総合生産科学研究科の荒川修教授、お よび高谷智裕教授らによる研究グループは、トラフグ属ふ化仔魚2 種(トラフグ、クサフグ) の表皮におけるフグ毒テトロドトキシン(TTX)保有細胞の分布を明らかにしました。本研 究では、組織透明化技術を用いたホールマウント免疫組織化学染色(注1)により、トラフ グ属フグ仔魚の表皮にTTX 保有細胞が一様に散在していることを明らかにしました(図1)。

研究成果

本研究では、組織透明化技術を用いたホールマウント免疫組織化学染色により、トラフグ属ふ化仔魚2種(トラフグ・クサフグ)の表皮におけるテトロドトキシン(TTX)保有細胞の分布を明らかにしました(図1)。

仔魚の表皮にはTTX保有細胞が一様に散在していることが特定されました。これらの細胞は成魚で報告されていたTTX保有細胞とは異なる可能性があり、仔魚期に特有の毒保有様式が示唆されます。

この発見は、親から子へのTTX受け渡しメカニズムを解明するための重要な手がかりとなることが期待されます。フグの毒化機構の全容を明らかにする上で、仔魚期における毒の局在と移行経路の理解は不可欠です。

トラフグふ化仔魚におけるTTX保有細胞分布の概要

図1: 親から子への TTX 供給と、ふ化仔魚表皮に散在する TTX 保有細胞の概要

論文情報

項目 内容
論文タイトル Epidermal distribution of tetrodotoxin-rich cells in newly hatched larvae of Takifugu spp.
著者 Keishiro Inahashi, Ryo Yonezawa, Kentaro Hayashi, Soichi Watanabe, Kazutoshi Yoshitake, Ashley Rinka Smith, Yui Kaneko, Inori Watanabe, Rei Suo, Shigeharu Kinoshita, Muhammad Ahya Rafiuddin, Yuki Seki, Arata Nagami, Hajime Matsubara, Nobuo Suzuki, Tomohiro Takatani, Osamu Arakawa, Miwa Suzuki, Shuichi Asakawa, Shiro Itoi
掲載誌 Marine Biotechnology 26(6), 1367-1374
発表日 2024年12月
DOI 10.1007/s10126-024-10377-x

お問い合わせ

増殖環境学研究室 糸井 史朗(いとい しろう)

現在の教員プロフィール

研究成果発表当時の肩書・所属と、現在の教員情報は異なる場合があります。