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ゲノミクス解析による養殖マダイの家魚化過程の解明

Fisheries Science 2024年12月6日
澤山 英太郎 准教授 海洋生物生理学研究室

研究成果のポイント

  • マダイの染色体レベルの参照ゲノム配列をロングリードシークエンスにより構築した。
  • 染色体上の一塩基多型(SNP)を使い遺伝的多様度を調べ、養殖集団の遺伝的多様性が 顕著に低下していることを明らかとした。
  • SNP により集団遺伝構造を調べ、養殖場によって遺伝集団が独立していることを明らか とした。

研究の背景

養殖マダイは1960 年代から養殖が開始され、西日本を中心に養殖が盛んに行われていま す。養殖マダイの種苗(稚魚)は養殖魚を使って生産されており、完全養殖がなされてい る魚種であり、完全養殖の過程で成長や耐病性を指標とした育種(品種改良)が盛んに行 われてきました。

研究成果

本研究では、ロングリードシークエンスを用いてマダイの染色体レベルの参照ゲノム配列を構築しました。これにより、染色体上の一塩基多型(SNP)を用いた精度の高い遺伝解析が可能となりました。

SNPを用いた遺伝的多様度の解析では、養殖集団において野生集団と比較して遺伝的多様性が顕著に低下していることが明らかとなりました(図1)。また、集団遺伝構造の解析から、養殖場ごとに遺伝集団が独立していることが示されました。

さらに、過去の育種によって固定されたゲノム領域を探索したところ、成長や免疫に関与する複数の遺伝子が選択を受けていることが明らかとなりました。これらの成果は、マダイ養殖における選抜育種の分子基盤を理解するうえで重要な知見であり、今後の持続可能な育種プログラムの設計に貢献することが期待されます。

野生集団と養殖集団におけるマイナーアレル頻度の分布

図1: 野生集団と養殖5集団におけるマイナーアレル頻度の分布

論文情報

項目 内容
論文タイトル Genomic analysis reflects recent domestication of farmed red sea bream Pagrus major
著者 Eitaro Sawayama, He Huang, Yoshihiro Handa, Koichiro Nakano, Yuri Akase
掲載誌 Fisheries Science 91(1), 133-146
発表日 2024年12月5日(オンライン先行公開)
DOI 10.1007/s12562-024-01837-3

お問い合わせ

海洋生物生理学研究室 澤山 英太郎(さわやま えいたろう)

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