研究の背景
養殖魚のゲノム解析には数千〜数万個の一塩基多型(SNP)を用いてゲノムワイド解析を 行うことが近年のトレンドとなっています。そのためには、高品質なゲノムDNAを用いて ゲノムリシーケンスや(dd)RAD-seq 法などの手法が考案されてきました。
研究成果
本研究では、マダイを対象に、皮膚粘液から抽出したDNAを用いた非侵襲的なSNPタイピング技術を開発しました。MIG-seqによる解析の結果、皮膚粘液由来DNAから一般的な組織(鰭)から抽出されたDNAと同等のSNP情報を取得できることを実証しました(図1)。
さらに、フィールド試験においても本手法の実用性を確認しました。従来の鰭切除に代わる新たなDNA採取法として有望であり、養殖現場でのゲノムワイド解析や選抜育種において、魚体にダメージを与えない非侵襲的な遺伝情報取得が可能となる点で、大きな応用可能性が期待されます。

図1: 共通 SNP を用いた系統樹解析。皮膚粘液由来 DNA と尾鰭由来 DNA の高い類似性を示す
論文情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 論文タイトル | Skin mucus DNA with MIG-seq: a valuable combination for genome-wide SNP typing in aquaculture fish |
| 著者 | Tatsuki Onogi, Eitaro Sawayama |
| 掲載誌 | Aquaculture International 33(3), 227 |
| 発表日 | 2025年3月12日 |
| DOI | 10.1007/s10499-025-01903-2 |
お問い合わせ
海洋生物生理学研究室 澤山 英太郎(さわやま えいたろう)