← 研究成果一覧に戻る

サケの産卵時における心拍変動の性差を発見

Frontiers in Physiology 2025年6月21日
牧口 祐也 准教授・阿部 貴晃 学振PD 魚群行動計測学研究室

研究成果のポイント

  • サケの産卵時の心拍変動に明確な性差があることを発見し、メスは産卵後に心拍数が上 昇、オスは低下するという正反対のパターンを示すことが判明
  • ブレイクポイント解析により、メスは産卵21 分前から心拍変動が増大し始めるのに対し、 オスは産卵直前まで安定していることを定量的に証明
  • 副交感神経が産卵時の心停止を引き起こす一方、交感神経も心拍リズム調整に重要な役割 を果たしていることを薬理実験の再解析により解明

研究の背景

本研究では、サケの産卵時における心拍変動に顕著な性差があることを発見しました。 2009 年に収集した心電図データを最新の解析手法で再分析した結果、産卵前後の心拍数変 化がメスとオスで正反対のパターンを示すことが判明しました。

研究成果

本研究では、2009年に収集したサケの産卵時の心電図データを最新の解析手法で再分析しました。その結果、産卵前後の心拍変動にメスとオスで正反対のパターンがあることを発見しました。メスは産卵後に心拍数が上昇するのに対し、オスは低下するという顕著な性差が確認されました(図1)。

ブレイクポイント解析により、メスは産卵21分前から心拍変動が増大し始めるのに対し、オスは産卵直前まで安定していることが定量的に示されました。また、薬理実験データの再解析から、副交感神経が産卵時の一時的な心停止(心拍数の急低下)を引き起こす一方で、交感神経もまた心拍リズムの調整に重要な役割を果たしていることが明らかとなりました。

これらの成果は、魚類の繁殖行動と自律神経系の関係を理解するための重要な知見です。

産卵前後のサケの心拍数変化にみられる雌雄差

図1: 産卵前後の心拍数の時系列変化。メスとオスで異なる変動パターンを示す

論文情報

項目 内容
論文タイトル Novel insights into sex-specific differences in heart rate variability and autonomic nervous system regulation during spawning behavior in chum salmon (Oncorhynchus keta) revealed by re-analysis of ECG logger data
著者 Yuya Makiguchi, Takaaki K. Abe, Masaki Ichimura
掲載誌 Frontiers in Physiology 16, 1511476
発表日 2025年5月29日
DOI 10.3389/fphys.2025.1511476

お問い合わせ

魚群行動計測学研究室 牧口 祐也(まきぐち ゆうや)

現在の教員プロフィール

研究成果発表当時の肩書・所属と、現在の教員情報は異なる場合があります。