← 研究成果一覧に戻る

カワウと種苗放流アユの季節的な栄養関係

Ecological Research 2019年4月4日
高井 則之 准教授 水族生態学研究室

研究成果のポイント

  • カワウと種苗放流アユの「食う-食われる」関係を多元的に解析
  • 配合飼料から放流アユ、カワウへとつながる人工物起源の食物連鎖を実証
  • カワウ個体数の回復を支えた要因の一端を示した

研究の背景

カワウによる放流アユの食害は内水面漁業に深刻な影響を与える一方、その実態は十分に分かっていませんでした。本研究では、胃内容物、分布、安定同位体情報を組み合わせて、カワウと種苗放流アユの栄養関係を詳細に調べました。

研究成果

カワウの胃内容物組成と、カワウ・餌生物の分布および元素情報を統合して解析しました。その結果、繁殖期には魚粉を主原料とする配合飼料から種苗放流アユ、さらにカワウへとつながる人工物起源の食物連鎖が形成されていることが明らかになりました。

この知見は、人工的な放流と給餌が1970年代以降のカワウ個体数回復を支える一因になった可能性を示すものであり、内水面生態系管理において重要な示唆を与えています。

カワウの繁殖を支える人工物起源の食物連鎖模式図

図1: カワウの繁殖を支える人工物起源の食物連鎖の模式図。配合飼料から放流アユ、カワウへつながる関係を示す。

論文情報

項目 内容
論文タイトル The seasonal trophic link between Great Cormorant Phalacrocorax carbo and ayu Plecoglossus altivelis altivelis reared for mass release
著者 Noriyuki Takai, Koh Kawabe, Kenta Togura, Kentaro Kawasaki, Tomohiro Kuwae
掲載誌 Ecological Research 33(5), 935-948
発表日 2018年4月25日
DOI 10.1007/s11284-018-1610-4

お問い合わせ

水族生態学研究室 高井 則之(たかい のりゆき)

現在の教員プロフィール

研究成果発表当時の肩書・所属と、現在の教員情報は異なる場合があります。