研究の背景
海生哺乳類は潜水と浮上を繰り返すことで、虚血と再灌流に伴う酸化ストレスにさらされます。血清アルブミンは血中で最も豊富なタンパク質で、抗酸化作用も担いますが、海生哺乳類のアルブミンがどのような性質をもつかはほとんど分かっていませんでした。
研究成果
バンドウイルカの血清アルブミンでは、哺乳類で主要なラジカル捕捉残基として働く 34Cys が Ser に置換されていた。それにもかかわらず、DPPH、ABTS、PAO 試験のいずれでも、イルカの血清アルブミンはヒトより高い抗酸化能を示した。
イルカの血清アルブミンはヒトより高いチオール活性を示し、表面疎水性の低下や一部ジスルフィド結合の不安定化も確認された。これらの結果から、イルカでは不安定化した構造がフリーのチオール基を供給し、高い抗酸化力につながっている可能性が示された。
論文情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 論文タイトル | Antioxidative Potency of Dolphin Serum Albumin Is Stronger Than That of Human Serum Albumin Irrespective of Substitution of 34Cysteine With Serine |
| 著者 | Miwa Suzuki, Makoto Anraku, Wataru Hakamata, Takushi Kishida, Keiichi Ueda, Tomoko Endoh |
| 掲載誌 | Frontiers in Physiology 11, 598451 |
| 発表日 | 2020年11月2日 |
| DOI | 10.3389/fphys.2020.598451 |
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海洋生物生理学研究室 鈴木 美和(すずき みわ)