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北関東地域で分離された伝染性造血器壊死症ウイルス(IHNV)の遺伝的系統の変遷

Fish Pathology 2021年7月9日
難波 亜紀 研究員・間野 伸宏 准教授 水圏生物病理学研究室

研究成果のポイント

  • 1981年から2015年に北関東地域で分離されたIHNV 72株の分子系統解析を行った
  • 既知のJS、JN系統に加え、新たな北関東系統JnkとそのA・Bクラスを見出した
  • 1980年代から2000年代以降にかけて優占系統が移り変わってきたことを明らかにした

研究の背景

伝染性造血器壊死症(IHN)は、ニジマス養殖に大きな被害をもたらすウイルス病です。日本国内では1970年代から流行が確認されていますが、長年の流行の中で、どの遺伝系統がいつ優占してきたのかは明らかになっていませんでした。

研究成果

群馬県水産試験場、栃木県水産試験場と共同し、1981年から2015年に北関東地域で分離・保存されたIHNウイルス72株のGタンパク質遺伝子を解析した。既知のJS系統、JN系統に加えて、新たな北関東系統Jnkを同定し、さらにJnkがAとBの2クラスから成ることを示した。

1980年代はJSとJnk-Aが主体だったのに対し、2000年代以降はJNが優占し、Jnk-Bも増加傾向にあることが分かった。地域内のニジマス取引形態の変化が、ウイルス系統の入れ替わりに影響してきた可能性が示唆された。

本研究の供試魚の1種であるニジマス

図1: 本研究の供試魚の1種であるニジマス *Oncorhynchus mykiss*

IHNウイルス系統樹と年代別分離株の比較

図2: IHNウイルスの系統樹と年代別分離株の比較

論文情報

項目 内容
論文タイトル Temporal change in genetical lineages of Infectious Hematopoietic Necrosis Virus (IHNV) in the North Kanto Region of Japan from 1981 to 2015
著者 Aki Namba, Kai Minakami, Taro Takee, Kaori Shiibashi, Miyu Sugino, Shuta Yasuda, Hisato Takeuchi, Takanori Ishikawa, Toshimitsu Matsubara, Hajime Arai, Teruyuki Nakanishi, Nobuhiro Mano
掲載誌 Fish Pathology 56(2), 35-42
発表日 2021年6月15日
DOI 10.3147/jsfp.56.35

お問い合わせ

水圏生物病理学研究室 難波 亜紀(なんば あき) 間野 伸宏(まの のぶひろ)

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