研究の背景
ヘモグロビンβ(Hbβ)は血液中で酸素運搬に関わる分子として知られていますが、魚類では皮膚や鰓などの粘膜組織にも発現することが分かってきました。こうした粘膜組織中のHbβが、ストレスや感染にどう応答するのかは明らかではありませんでした。
研究成果
- 昇温ストレス、Edwardsiella piscicida 感染、免疫賦活剤投与という3条件で、ヒラメ粘膜組織中のHbβ遺伝子発現を比較した
- 昇温ストレスでは特に鰓で発現が大きく低下し、感染初期や免疫賦活剤投与時には皮膚で有意な上昇が見られた
- 組織内局在解析でも、各条件に応じてHbβ発現部位が変化することが確認された
- 粘膜組織中のHbβ遺伝子発現は魚体の健康状態と相関する可能性があり、養殖現場での健康モニタリング指標として期待される

図1: 昇温ストレス実験におけるHbβ遺伝子発現のqRT-PCR解析結果

図2: 鰓および表皮組織におけるHbβ発現のISH像
論文情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 論文タイトル | Alteration of hemoglobin β gene expression in mucosal tissues of Japanese flounder, Paralichthys olivaceus, in response to heat stress, Edwardsiella piscicida infection, and immunostimulants administration |
| 著者 | Misato Mori, Yasuhiro Shibasaki, Aki Namba, Takeshi Yabu, Noriko Wada, Hajime Shiba, Hirosi Anzai, Nobuhiro Mano |
| 掲載誌 | Fish & Shellfish Immunology Reports 3, 100049 |
| 発表日 | 2022年1月12日 |
| DOI | 10.1016/j.fsirep.2021.100049 |
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水圏生物病理学研究室 間野 伸宏(まの のぶひろ)