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日本産ヤツバカワリギンチャク上科における1新科1新属4新種の発表

Diversity 2023年6月30日
藤井 琢磨 専任講師 水族生態学研究室

研究成果のポイント

  • 主に深海に生息するイソギンチャク目の一群、ヤツバカワリギンチャク上科 Actinernoidea が日本近海に11 種分布することを明らかにした。この種多様性は世界的 に類をみない高さである。
  • 全国の水族館施設の協力等によって10 年以上もの歳月をかけて多数の標本が収集された ことで、同上科の分類体系が大きく見直されると同時に、1 新科1 新属4 新種が記載され た。
  • 「科」レベルでの新分類群の設立は珍しく、大きな研究成果。

研究の背景

刺胞動物門花虫綱イソギンチャク目に属するヤツバカワリギンチャク上科にはヤツバカ ワリギンチャク科・カワリギンチャク科の2 科が属しています。本上科は、体の中の形態: 放射状に並ぶ隔膜とよばれる構造の配列がイソギンチャク類の中でも特異なグループであ るとともに、一部の種は非常に鮮やかな蛍光色を示すことで有名です。

研究成果

主に深海に生息するイソギンチャク目の一群であるヤツバカワリギンチャク上科 Actinernoidea が日本近海に11種分布することを明らかにしました(図1)。この種多様性は世界的にも類をみない高さであり、日本沿岸がこのグループの多様性中心地のひとつである可能性が示されました。

本研究には全国の水族館施設の協力が不可欠でした。10年以上にわたって多数の標本を収集・精査した結果、同上科の分類体系が大きく見直され、1新科・1新属・4新種が正式に記載されました。

「科」レベルでの新分類群の設立は非常に珍しく、分類学的にも極めて大きな成果です。日本の水族館と研究者が長年積み上げた協力関係がこの発見を可能にしました。

日本産ヤツバカワリギンチャク上科の一部標本写真

図1: 日本近海で確認されたヤツバカワリギンチャク上科の一部。新種を含む多様な種群

論文情報

項目 内容
論文タイトル Fluorescent Anemones in Japan—Comprehensive Revision of Japanese Actinernoidea (Cnidaria: Anthozoa: Actiniaria: Anenthemonae) with Rearrangements of the Classification
著者 Takato Izumi, Takuma Fujii, Kensuke Yanagi, Toshihiko Fujita
掲載誌 Diversity 15(6), 773
発表日 2023年6月13日(オンライン版)
DOI 10.3390/d15060773

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水族生態学研究室 藤井 琢磨(ふじい たくま)

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