研究の背景
日本大学生物資源学部海洋生物学科の柴﨑助教とアメリカペンシルバニア大学が中心的 な役割を担い、フランス、ノルウェー、福井県立大学などの国際共同研究グループが硬骨魚 類における抗原特異的抗体の産生応答活性化部位や産生機序を解明し、免疫学の最高峰の 学術雑誌である「Science Immunology」に掲載されました。この論文は掲載号の表紙に選ば れ、注目論文としてFocus で特集されています。
研究成果
感染や抗原刺激が与えられた際、脾臓内で抗原を捕捉することで知られるメラノマクロファージセンター(MMC)において、B細胞とヘルパーT細胞が活発に増殖することが初めて明らかになりました。
さらに、このMMCでは抗原特異的なB細胞の増殖、AID発現、親和性成熟といった、哺乳類の「胚中心」に特徴的な一連の反応が起こることも発見されました。
これらの知見から、脊椎動物の中で最初期に出現した魚類が、胚中心に類似した免疫機能構造を形成し、抗原特異的な抗体産生を行っていることが明らかになりました。本研究は、脊椎動物の適応免疫システムの起源と進化を理解するうえで重要な成果です。
論文情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 論文タイトル | Cold-blooded vertebrates evolved organized germinal center–like structures |
| 著者 | Yasuhiro Shibasaki, Sergei Afanasyev, Alvaro Fernández-Montero, Yang Ding, Shota Watanabe, Fumio Takizawa, Jesús Lamas, Francisco Fontenla-Iglesias, José Manuel Leiro, Aleksei Krasnov, Pierre Boudinot, J. Oriol Sunyer |
| 掲載誌 | Science Immunology 8(90), eadf1627 |
| 発表日 | 2023年12月1日 |
| DOI | 10.1126/sciimmunol.adf1627 |
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水圏生物病理学研究室 柴﨑 康宏(しばさき やすひろ)