新江ノ島水族館で「オトヒメノハナガサ属の一種」の標本展示が開始——荒教授らが江の島沖で採集

2026.04.20 お知らせ TOPICS

2025年1月に荒教授と地元漁師が江の島沖で採集した深海性クラゲの仲間が、新江ノ島水族館の深海展示コーナーで標本展示されています。

2026年4月5日(日)より、新江ノ島水族館の展示「深海Ⅰ」標本展示コーナーにおいて、深海性クラゲの仲間である**「オトヒメノハナガサ属の一種」**の標本展示が開始されました。

新江ノ島水族館で展示されている「オトヒメノハナガサ属の一種」の浮遊標本

新江ノ島水族館で展示されている「オトヒメノハナガサ属の一種」の浮遊標本

この個体は、2025年1月に江の島沖で調査を行っていた日本大学生物資源科学部の荒教授と、江の島の漁師である湯浅氏によって採集されたものです。採集当初は、鮮やかなオレンジ色をした巨大な綿毛のような外見で、生物かどうかも分からない状態でしたが、新江ノ島水族館の展示飼育スタッフによって、クラゲの仲間のポリプであることが確認されました。

日本大学 荒教授と、源春丸船長 湯浅氏

日本大学 荒教授(左)と、源春丸船長 湯浅氏(右)

その後、公益財団法人黒潮生物研究所による遺伝子解析が行われました。当初は「世界最大のポリプ」と呼ばれるオトヒメノハナガサである可能性が考えられていましたが、解析の結果、既知のオトヒメノハナガサとは遺伝的に少し異なることが分かりました。そのため、今回の展示では**「オトヒメノハナガサ」ではなく、「オトヒメノハナガサ属の一種」**として紹介されています。

採集後に受け渡された「オトヒメノハナガサ属の一種」の個体

採集後に受け渡された「オトヒメノハナガサ属の一種」の個体

オトヒメノハナガサの仲間は、普段は海底に生息していると考えられており、水族館で展示されることは、標本であっても世界的に珍しいとされています。今回の標本は、江の島沖での偶然の発見が、新江ノ島水族館、黒潮生物研究所、地域の漁業者、そして本学教員の連携によって貴重な展示へとつながった事例です。

身近な江の島の海にも、まだ十分に分かっていない生き物が存在しています。海洋生物学科では、こうしたフィールドでの発見を出発点に、海洋生物の生態、分類、進化、環境との関わりについて学び、研究しています。


詳細は、新江ノ島水族館の発表資料をご覧ください。

発表資料PDFリニューアルした深海生物標本コーナーで「オトヒメノハナガサ属の一種」の特殊な標本展示を開始